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青山〜チトフナぱせり日記

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国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展


国立新美術館へ 東山魁夷展に行きました。
また観覧券を頂きました。
国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16201767.jpeg
何故か今回はそんなに期待はしていませんでした。

頂き物のカレンダーなどで白い馬の絵を見たり
唐招提寺の障壁画は新聞で見た事は有りましたが
凄く綺麗な絵くらいに思っていました。

理由は この頃いい展覧会がいっぱいで、
少し贅沢な偉そうな気持ちになっていました。
けれど有効期間が迫ってるので急いで行きました。

平日の朝早めなのに、並んでいる…予想外…
国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16202654.jpeg
中の入り口も10分待ちでしたが
もう少しかかりました。

国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16203433.jpeg
そうそうこの絵が有名です。
メルヘンチックだと思うのは私だけ?

中は写真がNGなので、また絵葉書ですが、

北欧を描く の中から
冬華 1964年
国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16212016.jpeg

古都を描く・京都 の中から
花明り 1968年
国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16213629.jpeg
この構図はお得意の様です、日本画ですものね。
よくあるタイプだけれど、好きな構図です。

色んな画風が有って、見ながら多作だねと思っていた。

でもだんだん上手くなって行くのです。

なんと習作を含め100点以上の作品が来ていました。

国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16204190.jpeg
途中まではこんな感じで、上手いと思って見て居ました。

もう終わりかと思って居たら なんと…
…そこからが本番だった。

唐招提寺が修復でもしているに違いないと確信しました。

なんとふすま絵が…本物?
見たかった…障壁画! 素晴らしい…

どうやら御影堂そのままに再現しているらしいです。
LEDに照らされて 幽玄…そのものです。



濤声 1975年

やや右側のです。もっと右は波だけ
国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16205591.jpeg
その左

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そのサイドには(実際の御影堂では襖の向こうに)
山雲 1975年

国立新美術館へ 生誕110年 東山魁夷展_e0397389_16211312.jpeg

その先の部屋には襖の裏側にある水墨画の世界
桂林月夜、黄山雨過に続き
黄山暁雲、揚州薫風、桂林月宵などがあり
素晴らしい作品を見せて頂きました。

まるで京都の智積院にある琳派の襖絵のように
表と裏では全くの別世界でした。

表は日本の海、松の生えている岩場や
杉木立から雲が湧く山の景色が。

裏側は、鑑真和上のご出身地である中国の
景色と スケールの大きい障壁画。

行って良かった…御影堂の修理に伴い、今後
数年間は見られないという事です。


あまりの素晴らしさにこの障壁画は
途中迄戻り再び見ました。

混みあっていて申し訳ないけれど、
帰りたくないくらい…

一生に一度出会えないレベルの作品を
目の当たりにしてしまいました。

チケットには唐招提寺の事は書いて無かった。
この作品以前と以降はかなりの差があるように
感じます。



この障壁画が話題になっていた頃、
私は新聞やTVでしか観た事が無かったのですが、

〇〇新聞社主催の京都手描き友禅の作家さんとの
ジョイントショーを頼まれたことがあり、
作家さんの友禅生地でドレスを作りました。

打ち合わせをしている時に、作家さんに どんな雰囲気に?
と尋ねられて 東山魁夷の山雲のような感じにと、
図柄をお願いした事がありました。

本当に失礼な事をお願いしてしまったと、
この歳になってやっと思いました。

絵描きさんに他の人の作風をお願いするなんて、
それも この山雲です。

その作家さんは その後、少し病気をされ、
今は絵描きさんになっておられるようです。

その道を極めることは凄い事です。

途中のコーナーで、東山魁夷その人がその頃に
自分は下手だと思っていたと書いてありました。

自分を客観的に見て、精進する。
天才は99%努力で作られるのですね…
あと1%は運でしたっけ。

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by cenepaseri | 2018-11-24 09:00 | アート | Comments(10)
Commented by fsnoteak at 2018-11-24 10:05
私も東山魁夷の作品は好きです。
「緑響く」は私も日本画には合わないような
メルヘンチックだなあと正直思っていました。^^;
滅多に見れない貴重な障壁画も見れて、
行かれてよかったですね!
Commented by uransuzu at 2018-11-24 11:25
ぱせりさんの感動が伝わってきます。
一生に一度、出会えないほどのレベルの作品に巡り合えて!
東山魁夷の美術館は、全国にいくつかありますが、うどん県にもあって、
瀬戸内海の美しい風景とともに楽しめるようになっています。
よろしければ、いつかいらしてくださいね!!
Commented by cenepaseri at 2018-11-24 12:57
> fsnoteakさん
小さな写真でしか見た事が無かったので、メルヘンチックなんて
偉そうな評価をしていまい、本当に失礼過ぎました。
これだけの量を見るには数年かかりますよね、
唐招提寺の御影堂はいつか行きたかったので、
幸運でした。
Commented by cenepaseri at 2018-11-24 13:12
> uransuzuさん
香川県立東山魁夷せとうち美術館からも3点来ていましたよ。
日本中に美術館があるなんてやはり精力的に書く方なのですね。
しかし昭和50年から55年の5年間は御影堂の障壁画だけでした。
欧州のカテドラルの天井画や壁画に引けを取らないものだと
思いました。見られて良かった、と心底思いました。
Commented by Diary-17 at 2018-11-24 15:15
白馬の絵は実物を見た時に感動がありませんでした。
以後、固定観念でこの人の絵はどこが良いのか?大騒ぎするほどでも無いのではと、私も思っていた事があります。
10年ほど前に生誕100年か何かの(すみません、はっきり覚えていない)展覧会が有り、御招待頂いたのですがパセリさんと同じ様な気持ちで展覧会にうかがいました。で、そうなんです!どんどんと感動が深くなるんです。上手になって来る。
私も最後は彼に対する考え方が大きく変わり、只々感動した事を思い出します。パセリさんの今日のブログを読んで同じ感動を共有できる人がいた事も嬉しいデス。(10年後ですが…笑)
Commented by cenepaseri at 2018-11-24 15:30
> Diary-17さん
同じ思いをお持ちでしたか…小さな絵は、構図も、きっと画力は凄いのでしょうが、
感動する様な感じでは無かったのです。日本画の巨匠と言われる方も、あれれっ!と
いうバランスがあって、心の中で、少しこんなもんだと思っていました。
しかしお年を召すほどこれ程上手くなるものでしょうか?
90歳の作品も凄く上手くて、精進だと思いました。私も只々感動でした。
唐招提寺の御影堂の障壁画は歴史に残る この方の集大成ですね。
Commented by mary_snowflake at 2018-11-24 18:52
ぱせりさん、こんばんは。
私も 昨年、東山魁夷の唐招提寺御影堂 障壁画展で 鑑賞してきました。
最初は、主人の付き合いの感じでした。が、進むごとに感動が湧き起こり、その世界観に引き込まれていきました。(あまりに感動し、私も ブログに綴りました。)
東山魁夷の精神性の高さと壮大な感性、鑑真和上への寄り添う心を感じ受け、それまでに経験し得なかった感動を覚えました。
ぱせりさんの思いを共有させていただき、
あの時間をまた、思い出させていただきました。
sapphire
Commented by blue-salvia2 at 2018-11-24 20:28
ぱせりさん、こんばんは〜♪

東山魁夷の作品展に行かれたのですね。確か、去年くらいにこちらの地域でも、作品展が開催されるのをブロ友さんのブログで知りました。オットを誘うと、そんなに良くないような事を言い結局は行きませんでした。やっぱり感動したのですね。行けば良かったわ!ところで、オットの実家に東山魁夷の大きな本があります。背表紙しか見てなく、中を開いていません。多分、作品が掲載されているかと…。今度、実家に行った時に見て来ます。
Commented by cenepaseri at 2018-11-25 09:02
> mary_snowflakeさん
昨年に名古屋の方で開催されたのですね。
私も夫が行きたいと言うのでお付き合いがてらに行ったのですが、夫も途中で驚いた様子でした。
一期一会と言うのでしょうか、思いがけずに、本当にご立派な作品に出会えて深く感動致しました。
サファイアさんの記事を見て、と思いましたが まだ辿りつけておりません…

Commented by cenepaseri at 2018-11-25 09:10
> blue-salvia2さん
東山魁夷はチャンスがあれば見た方が絶対いいかと思います。
人のことは言えませんが(^.^)
たしかに、メルヘンな所もありましたが、その先に別世界がありました。
ご実家の作品集には かなりの集大成が載っていると思います。
又いつか、障壁画を見る機会があれば是非見たいです!