国立新美術館へ 東山魁夷展に行きました。
また観覧券を頂きました。
何故か今回はそんなに期待はしていませんでした。
頂き物のカレンダーなどで白い馬の絵を見たり
唐招提寺の障壁画は新聞で見た事は有りましたが
凄く綺麗な絵くらいに思っていました。
理由は この頃いい展覧会がいっぱいで、
少し贅沢な偉そうな気持ちになっていました。
けれど有効期間が迫ってるので急いで行きました。
平日の朝早めなのに、並んでいる…予想外…
中の入り口も10分待ちでしたが
もう少しかかりました。
そうそうこの絵が有名です。
メルヘンチックだと思うのは私だけ?
中は写真がNGなので、また絵葉書ですが、
北欧を描く の中から
冬華 1964年
古都を描く・京都 の中から
花明り 1968年
この構図はお得意の様です、日本画ですものね。
よくあるタイプだけれど、好きな構図です。
色んな画風が有って、見ながら多作だねと思っていた。
でもだんだん上手くなって行くのです。
なんと習作を含め100点以上の作品が来ていました。
途中まではこんな感じで、上手いと思って見て居ました。
もう終わりかと思って居たら なんと…
…そこからが本番だった。
唐招提寺が修復でもしているに違いないと確信しました。
なんとふすま絵が…本物?
見たかった…障壁画! 素晴らしい…
どうやら御影堂そのままに再現しているらしいです。
LEDに照らされて 幽玄…そのものです。
濤声 1975年
やや右側のです。もっと右は波だけ
その左
そのサイドには(実際の御影堂では襖の向こうに)
山雲 1975年
その先の部屋には襖の裏側にある水墨画の世界
桂林月夜、黄山雨過に続き
黄山暁雲、揚州薫風、桂林月宵などがあり
素晴らしい作品を見せて頂きました。
まるで京都の智積院にある琳派の襖絵のように
表と裏では全くの別世界でした。
表は日本の海、松の生えている岩場や
杉木立から雲が湧く山の景色が。
裏側は、鑑真和上のご出身地である中国の
景色と スケールの大きい障壁画。
行って良かった…御影堂の修理に伴い、今後
数年間は見られないという事です。
あまりの素晴らしさにこの障壁画は
途中迄戻り再び見ました。
混みあっていて申し訳ないけれど、
帰りたくないくらい…
一生に一度出会えないレベルの作品を
目の当たりにしてしまいました。
チケットには唐招提寺の事は書いて無かった。
この作品以前と以降はかなりの差があるように
感じます。
この障壁画が話題になっていた頃、
私は新聞やTVでしか観た事が無かったのですが、
〇〇新聞社主催の京都手描き友禅の作家さんとの
ジョイントショーを頼まれたことがあり、
作家さんの友禅生地でドレスを作りました。
打ち合わせをしている時に、作家さんに どんな雰囲気に?
と尋ねられて 東山魁夷の山雲のような感じにと、
図柄をお願いした事がありました。
本当に失礼な事をお願いしてしまったと、
この歳になってやっと思いました。
絵描きさんに他の人の作風をお願いするなんて、
それも この山雲です。
その作家さんは その後、少し病気をされ、
今は絵描きさんになっておられるようです。
その道を極めることは凄い事です。
途中のコーナーで、東山魁夷その人がその頃に
自分は下手だと思っていたと書いてありました。
自分を客観的に見て、精進する。
天才は99%努力で作られるのですね…
あと1%は運でしたっけ。