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青山〜チトフナぱせり日記

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川瀬忍展 作陶50年の間


お蕎麦やさんを出て、ホテルオークラの方へ、
急な坂を登ります。工事中が多くて、本当に此方で
合っているのか不安になり工事中の方に訪ねて…
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川瀬忍展に菊池寛実記念 智美術館へ来ました。
初めての美術館です。

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川瀬忍展、此方も今までお名前しか知りませんでした。 

1950年のお生まれで18歳から50年の間作陶を
もう…何で今まで知らなかったのか
不思議な位に良かったのです…

この下の 天目(烟瓷/青磁)2016年作の茶碗は
まるで翡翠です。凄いものを見てしまった…
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11082205.jpeg
後から彼と台北の故宮博物院の繋がりを知り、
とても納得してしまいました。

故宮の翡翠と青磁の色が作品にあふれています。


川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_15210203.jpeg
智美術館に入って、右は庭園レストランの
ヴォワ・ラクテ(ここも良さそうです)

左の階段を下ります。

クリアな手摺の先に何やらランプシェイドの様な
丸い物が下がっています、薄い、けれど これも陶?
海に住むマンタの様に見えます。
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11082922.jpeg
下には輝く反射鏡?

此方は潭揺が2点、ここは撮影可です。
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11083789.jpeg
反射した光がゆらゆらと階段の壁に映ります。
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11084328.jpeg
そこから先は撮影不可ですので、なので図録から…
本当は見ないと分からないかも知れません。

左は青磁香炉で川瀬忍作 1990年の作品、
蓋が柘榴の口の様にはじけています。

右は灰陶鬲(トリポッド・ジャー)西周時代のものです。
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11090549.jpeg
所々に川瀬忍の祖父の初代川瀬竹春の作品や
高麗時代の青磁も並んでいますが、
見事に調和しています。

翠瓷、藍瓷などの新しい色彩や、奈良薬師寺の
国宝東塔修復事業により提供された基壇土を
焼締作品を試みています。


風麗呼の茶入と水指 1994年の作品です。
炎の様な火襷?ピーマンと南瓜の様な愛らしさ…
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11091481.jpeg

伊賀茶碗 2000年頃 
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自然の釉薬が流れてきていて、えも言われません。
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底も素敵です。とっても好みです。
素晴らしい…



赫瓷盃/青磁盃台 2017年
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左 翠瓷盃/青磁盃台 右 青磁徳利 2017年作 
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焼締容器/烟瓷盒子 2018年作品
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此方も翡翠の色を感じます。
(確か翡色と翠色が揃って翡翠色です)

何と!すっぽり中に収まります。
(この焼締の容器の薄さは驚きです)
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11095497.jpeg
入り口のガラスケースにあった作品

伊賀徳利(於午神下窯)2000年作、

焼締盃  2016年作、

根来丸盆  室町時代。
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11101369.jpeg


此方は突き当りの床にあった…

50年の泪
  窯焚きの
    ほんの一瞬の間が…
           しのぶ  と有りました。
川瀬忍展 作陶50年の間_e0397389_11100485.jpeg
この薄さ、窯で…息を飲む一瞬、

研ぎ澄まされた感性が、伝わって来ます。

この方は今迄で今が最高に良い時で、集大成の
時期に入られたのでは無いだろうかと思います。


後ろ髪を引かれながら、智美術館を後にしました。



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by cenepaseri | 2019-03-17 09:00 | アート | Comments(12)
Commented by ハジメ at 2019-03-17 10:01 x
おはようございます。
この展示会行きます!

伊賀茶碗の釉薬の流れ、薬締容器、実物を見たいです。
Commented by cenepaseri at 2019-03-17 12:39
> ハジメさん
もう素晴らしかったです。滅多に図録は求めませんが、全部良かったので。
焼締が元々好きなのですが、この伊賀茶碗はとても良いです。
自然を味方につけた様な作品が多く、そこに綺麗な青磁とのミックスでした。
この作家さんの人となりが垣間見えます。
ぜひ行って見てくださいませ。
Commented by Diary-17 at 2019-03-17 14:10
美しい!の一言です。
こんな素晴らしい物を紹介して下さったパセリさんに感謝。
眺めているだけで心の凡庸を全て取り除いてしまう...そんな不思議な優しさを感じます。
実物はもっと凄いのでしょうね。溜息
Commented by cenepaseri at 2019-03-17 15:32
> Diary-17さん
私が言うのも偉そうですが、本当に謙虚で、研ぎ澄まされていて素晴らしいのです。
自分だけで温めて来られたものが今花が咲いているように思いました。
精進されて…見ているだけで、伝わってくるものが多かったです。
これからも、この方の作品はずっと見て行きたいと思いました。
Commented by uransuzu at 2019-03-17 15:37
これは、素晴らしい見応えのある展覧会ですね!
場所も、近くはよく通るのに、入ったことがありませんでした。
機会があれば、ぜひ行ってみたい。
庭園レストランも、偵察お願いします^^
Commented by 通りすがり at 2019-03-17 17:00 x
もともとこちらの美術館は現代陶芸のコレクターである菊池智がはじめたものですから、いつも素晴らしい陶芸作品の展示です。隠れた名店みたいだった併設のレストラン、ヴォアラクテ(たしか天の川の意味)残念なことに2019年3月24日で閉店です。
眼福のあとは口福でしたのに!
Commented by cenepaseri at 2019-03-17 18:43
> uransuzuさん
この美術館は初めてでした。ホテルオークラのご近所です。
陶芸専門の美術館の様です。
3月24日で終了し、次は4月の13日から加守田章二の陶芸展になります。
庭園レストランはお客様も妙齢の方が多くていい感じでした。
今度この美術館へ来る時は、絶対ここと思いました。
Commented by cenepaseri at 2019-03-17 18:46
> 通りすがりさん
ええ〜、そうなんですか〜
年配の方も多くいらして、写真をとお願いしたら、
どうぞどうぞと 広げていただきました。
それはそれは残念です。
Commented by g-tant at 2019-03-17 21:54
川瀬さんの作品は息を呑むほどの凄さです
Commented by cenepaseri at 2019-03-18 09:02
> g-tantさん
本当に偉いものを見てしまったと思いました。
夫も唸って居ました。
作品に人となりが出て…凄いとしか表現が出来ません。
Commented by Grace-K52 at 2019-03-18 09:16
こんにちは。
川瀬忍さんはお茶の世界では大変有名な方です。
特に青磁は人気が高く、昨年のお茶会で川瀬さんの青磁の菓子皿を使いましたら、とても注目されました。
智美術館と併設レストランにも何度かまいりましたが、
こじんまりとしたスタイルのある良い所ですよね。
確か天井に天の川が描かれた?レストランの閉店はホントに残念です。
Commented by cenepaseri at 2019-03-18 12:54
> Grace-K52さん
ネットで探してみたら、真っ先に茶道具が出てきました。
作品をお持ちなのでしょうか?溜息ものです。
個展でも人気が高くて、朝早くから大変なような事が書かれていました。
美術館も隣の洋館もとても素敵な所ですね…